君とさよならの時間 ~大好きの涙~






「わ、わかった……」




 私は渋々そう言った。






 そして、葉上は帰っていった。







 独りになったこの部屋で、私はベットに潜り込みながら考えていた。






 家族に会いに行って、みんなはどうするんだろう。



 やっぱり、追い返すのかな?


 それとも、「よく来たわね」って言って喜んでくれる?






 捨てた私を見て、どんな反応するの?






「お母さん…お父さん…それに、弟……」





 弟の名前を知らない。教えてくれなかった。


 6年前、ただ私の顔を見に来ただけだったから。





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