君とさよならの時間 ~大好きの涙~





 私は“普通”の生活を体験してみたかった。それだけなの。だから、友達なんていらない。



 独りでも構わない。






「静野さんて、美人だけど変わってるよね」


「わかるー」





 周りからそんな声が聞こえた。



 変わってるか。……確かにそうかも。みんなより、変わってる。





 でもその「変わってるところ」は、自分で望んで変わったわけじゃない。




 生まれたときから、変わってたんだ。







「きゃーっ!!!」





 廊下から鼓膜が破れるほどのうるさい悲鳴に近い歓声が聞こえてきた。





< 3 / 253 >

この作品をシェア

pagetop