君とさよならの時間 ~大好きの涙~
葉上も「よろしくな」と言って、私の小さくて弱い手をギュッと握った。
その手のひらは、とても温かくて。「生きてる」って実感させてくれる。
初めての握手は、不思議と涙を誘った。
「で、一般的に恋人はなにをするの?」
「………それ、マジで聞いてんの?」
「え、なんで?」
「いや、知らねーやつなんていない、って思ってたから」
「あー……、まぁ、外の世界のことまだあんまり知らないからね。私は」
ポツリと呟いた言葉を、葉上は拾うことができなかった。