君とさよならの時間 ~大好きの涙~





 ―――いつの間にか時間はすぎていっていて、キーンコーンカーンコーン、という昼休み始まりの合図が校内中に響き渡った。





「やっと、昼休みだ…」




 グッと伸びをしてから、私はカバンからお弁当を取り出す。


 看護師さんが毎日、わざわざ作ってくれるこのお弁当は、ちゃんと栄養バランスが考えられていて“愛情”を感じる。



 薬もちゃんとお弁当の端っこに小さな袋にいれて、入っている。





「ありがとう…」




 看護師さんや担当医の藤井先生には、ホント助かってる。毎日の生活だって、学校に行かせてくれるのだって、絶対迷惑かけてるのに…いつも親切にしてくれて。



 制服を洗ってくれたり、このお弁当だったり、ホント…感謝してもしきれないくらい。






「じゃあ食べようかな♪」




 机にお弁当をおいて、手を合わせて「いただきます」と言おうとしていたとき。




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