君とさよならの時間 ～大好きの涙～

「きゃーっ！！葉上くぅん～♡」




　多勢の女子に甘ったるい言葉をかけられている、アイツは眉間に皺をよせている。


　うわ…、すごく嫌そう…。





　横目でﾁﾗﾘと見ていた私は、アイツのしかめた顔を見て「ドンマイじゃん」と呟く。





　葉上 尋【ﾊｶﾞﾐ ﾋﾛ】。同じクラスの、高校一年生。


　入学してから瞬く間に、彼の存在が学校中に知れた。



　その理由はただ一つ。


　見た目がかっこいいから。いわゆる、イケメン。





　金髪に耳にはたくさんのピアス。

　無駄に整っていてモデル並の顔。

　スラッと長い手足に180センチもある身長。





　ヤンキーみたいなその容姿でも、かっこければなんでもいいらしい。