君とさよならの時間 ~大好きの涙~



 でも、愛美を初めて見て……なんか感じたことのない感覚に落ちたんだよな。


 きっとこれを、「一目惚れ」って言うんだろうな…。





「キモイ、尋」


「は!?なんでだよ」


「顔、ニヤけてるんだよ」


「っ!?」




 ニヤけてた?俺が!?


 ペタペタと手で自分の顔を触ってみるが、にやけてるかどうかなんてわかんねぇ。




「ベタ惚れだね~」


「ぅ、うっせ!!」


「照れちゃって~。可愛いな、尋は~♪」



 絶対、峻司面白がってやがる!顔笑ってるし!!





 ――俺は、あいつに惚れてるけど、あいつ…愛美はどうなんだろうか。

 やっぱり、俺のこと“偽の彼氏”としか見てないんだろうか。



 あぁー、くそっ!あいつを“本物の彼女”にしてぇのに。

 なんで言えねぇかな、俺…。ヘタレすぎだろ。




< 90 / 253 >

この作品をシェア

pagetop