【完】人形達の宴~通りゃんせ~


よ、良かった…、


間に合ったぁ---




私の横でこの人形に手を伸ばそうとした僧侶さんと、目が合った。


かなり驚いた顔で私を見ていて、そんな僧侶さんに私は苦笑いをしてしまった。




いきなり人形を奪ったら驚かれるよね…。


私は『すみません』と、軽く謝り手元にある人形に視線を向けた。





「…違う」



赤い着物が目に付いた私はその人形が瑞希の部屋にあった人形だと思い手に取ったのだが、手元にあるその人形の顔は全く違う顔をしていた。


いかにも年代物なその人形は、かなり古い人形だった。




瑞希の部屋にあった人形は、真新しい人形…。


全然違う---



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