【完】人形達の宴~通りゃんせ~


輝き出したそれは、瑞希の誕生日プレゼントとして買ったムーンストーンのペンダント---


ポケットに入れていたのに、いつの間に床へ落ちたのだろうか?




そんな事を思っている間にもそのムーンストーンは徐々に強い光を放ち始め、暗く淀んでいたお堂内を光で埋め尽くしていく。





眩い光が辺りを埋め尽くす様はまるで、闇を浄化するかのように温かい。


私の凍てついた心までもを溶かしていくかのように、その光を浴びた事によって気持ちが落ち着いたように感じた。





本当に…、


不思議な光景に、ただただ私は唖然と眺めていた。



周りにいた人形達も、その光景に惹かれるようにジッと魅入っているのが視界に入ってくる。





いつの間にか、『通りゃんせ』の歌が止んでいた。



そして私に向けられていた鋭い人形達の視線も、光を放つムーンストーンの石へと向けられてる。



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