【完】人形達の宴~通りゃんせ~


『スゴクキレイナ ヒカリー』


『ナニコレー』




人形達が口々にそこかしこから楽しそうに…、


わくわくした声で話す様に、こんな状況だというのに私の気持ちがほっこりしそうになる。





それを寸での所で思い留め、もう一度辺りを見回した。


辺り一面に降り注いだムーンストーンの光は、いつの間にか光が一点に集中し始めている。





一点に集中しているその光は、まるでこちらを見ろとでもいうかのように何かを指し示している事に気付いた。



その指し示している一点とは---






「龍の…、置物?」



いくつもの人形達が置いてあった棚の一番上に、人間一人が抱えられる程度の大きさの石の置物が置いてあった。


ムーンストーンから発している光は、その龍の口に咥えている石に向かって伸びている。





ううん…、


違う---



龍の咥えている白い石に、吸い込まれていくかのように光がその石に向かっているのだ。




ムーンストーンの石に反応したのか、龍の咥えている石も輝き始める。


まるで共鳴しているかのようにムーンストーンの石と同じくらいの光を、龍の石からも発し始めた。




そして…、


カタカタ…と光を放ちながら龍の置物が、おかしな動きを見せ始める。


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