【完】人形達の宴~通りゃんせ~
神社の後ろでチラチラと、赤い光のような物が見える。
気になったその男は、恐る恐るそちらに向かって歩いた。
こ、これは?!
その男が見た物とは気味の悪い、赤黒い色のプカリと浮かんだ玉だった。
蛍の光とは違う…、
イヤに気持ちの悪いその玉は、一つではない。
十以上…、二十はないだろう赤黒い玉の大きさは様々だが色は全て同一色。
いや…、
ジックリ見ると、その光にも赤に近い黒や殆ど黒い光など濃淡は様々なようだった。
これは近づいてはいけない---
嫌な予感を感じたその男性は、すぐに踵を返すと元来た道へと戻るため早足で歩き出す。
…が、何故かその内の一つの玉が男の前まで来た為、歩みを止めてしまった。