【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀


いったい何人いるのかはわからないが、相当な人数なのは予想できた。


けれど、何となく楽しげに感じて


「私はどこでも大丈夫です」


「そう。じゃあ一緒に食べてみようか」


由香里さんも嬉しそうな顔だった。


そうと決まればお世話になっている私は手伝いをしなければならない。


慌てて立ち上がりお手伝いに行こうとすると手伝うことは何もないと言う。


テーブルを拭いたりお皿を並べたり、ご飯をよそったり、手伝いなんていくらでもありそうだ。


それでも、仕事を取られたと嘆くから行かなくていいと言い、逆に気を使われるからじっとしているほうが喜ばれると教えてくれた。


何だかやっぱり不思議な世界に思う。


みんなで食事というからには、隼のお父さん、

つまりは組長さんもいらっしゃるのだろうか。


「組長さんにご挨拶もまだ出来ていなくてすみません」


「結衣ちゃん…組長さんってまた可愛い言い方をして…」


「変ですかね?何ておよびしたらいいんでしょう。おじ様の方がいいでしょうか」


「好きに呼んでごらん。イヤならこう呼べって教えてくれるわよ」


「怒られませんか?」


「クスッ…大丈夫よ」


由香里さんは完全に楽しんでいる。


由香里さんって名前で呼ぶんだからやっぱり名前で呼ぶのかな?


藤堂さんって呼ぶ?藤堂様?やっぱりおじ様かな?


まったくもって想像がつかない。


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