あの夏のこと

私が半ば混乱していると、男の子が話しかけてきた。



「ごめんね、いきなり。君の名前は?」


私は、その聞き方にちょっとムッとした。

見た感じ、どう見てもこの男の子は1年生。
つまり、私の1個下。


「相手の名前を聞くときは、まず自分の名前を名乗るものよ?」



私がそう言うと、一瞬ぽかーんとして、その後、クスクスと笑い始めた。


なんだ?こいつ!
失礼ね!
一発殴ってやろうかしら。



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