あの夏のこと

そう思っていると、男の子は「ごめんごめん。」と言って、私の顔を見た。



「申し遅れました。僕の名前は林葵(はやしあおい)。貴女は?」



今度は丁寧な口調で話しかけてきた。



「私の名前は、澤田花音。宮の丘高校の2年生。林くんは何年生なの?」



私がそう言うと、一瞬寂しそうな目をした。

「一応1年生。」





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