僕は余りにも  君を愛しすぎた
私はサラに自分のファイルを見せた。

サラは無言で私の作品を見ていた。

その間私は彼女のオフィスに飾ってあるプレートを何枚も見て回った。

オフィスといっても自宅の一部だった。

「素敵ね。サラのカラーにうっとりしちゃうわ。」

「そんなに気に入ってもらえた?」

「ええ。」

「リリィ、ここに掛けて。私の話を聞いてもらいたいの。」

「何かしら?」私はソファに腰かけた。

「私がCGアートに求めるものは癒しよ。斬新なデザインでテクニカルで奇抜なアートは好きじゃないわ。複雑なものも避けたいの。リリィの作品を見て決心できたわ。私、あなたと組みたいと思っているのよ。どう?私とアートで食べていかない?」

「えっ?サラ、それ本気なの?」

「本気よ、リリィ。」

「だって、あなたとは昨日会ったばかりだし、突然そう言われても返事できないわ。」

「わかっているわ。一度帰国してゆっくり考えていいのよ。メールでやり取りしましょう。私はあなたのアートに心理的なものを発見できたわ。あなたのデザインは単純なカーブが多いでしょ?見ていて落ち着くの。私のカラーでアートしたらどうなると思う?」

「サラのカラーで私のデザインを?」

< 19 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop