僕は余りにも  君を愛しすぎた
先生が帰国してから1年が経った。

その間、私は毎月1回は必ず会いに日本へ帰った。

それは秋だったり、冬だったり、桜散る春だったり、猛暑の夏だったり。

四季の違いに今さらながら驚いた。

「桜井先生!」先生の事務所ではそう呼んだ。

CGデザインスクールの生徒達が数人バイトしていて事務所への出入りがあったので、なつかしい気持ちを感じた。

先生は毎週スクールへ講師としての授業もこなしていた。

私が帰国するその週1週間は先生のマンションに落ち着かせてもらい、毎夜ベッドで彼に求められて朝まで満たされた。

「莉里、1年があっという間だった。もう一度秋を堪能したらLAへ戻るよ。クリスマスは向こうで過ごそう。約束する。」

「やっぱり日本がいいわね。帰るたびにそう思うの。」

「君には二重生活をさせてしまったな。」

「とっても素敵な1年だった。他の誰もが経験できない1年だったと思うし、すごく良い思い出ばかりで忘れられない婚約になって。このリングの輝きのように。」

しっとり抱き合ったまま、まだ甘く痺れたようにねっとりと柔らかい私の肌を撫で続ける。

「僕は余りにも君を愛しすぎた。意識して距離を保つことで君を必要以上に束縛しないようにしてきた。」

「それって、ひどい。泣いてもいい?」

「それじゃ、リクエストに応えてもう一度泣かせようかな。」

「んもう、その泣くじゃなくって。」

「わかってる。わかってる。」

「私が言いたいのは、愛されすぎてもいいってことなの。」

「なるほどね。じゃ、今試そう。僕の想いは今までのようにやわじゃないってことをね。」

「・・・・・」

私はその言葉に身悶えた。

彼の腕の中で。



           ~ 完 ~



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