僕等のヒカリ〜ひまわりの小さなキセキ〜



父親はまだ残るらしく、渡部さんと部屋から出た。



病院の外に出ると、空は薄暗かった。



俺そんなに病院にいたんだ……



渡部さんに母親の病態のこと言われてから、時間というものが分からなかった。



俺の空間だけ時間が止まっているような感覚だった。



渡部さんの車に乗り、家まで送ってもらった。



その間、会話は全くなかった。



俺も会話する気分じゃなかったから助かった。



多分渡部さんなりの気遣いだろう。



家の前に止まり車から降りようとすると、




「遥希、酷なことを言うが今の撮影が終わるまで、天才子役の向井遥希でいてほしい。理由は分かるよな?」



「はい……」




この世界に飛び込んだ以上、私情を挟んではいけない。







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