わがまま即興曲。
「行きの時から思ってたんですけど、
なんで後ろに乗るんですか?」

「え?」

「様子もすぐに見れるし、
僕としては、前に乗ってくれた方が、
ありがたいんですけど。」

「はあ?バカなの!?」

「え!?ええ?どうして?」

「…助手席は恋人の席だろうが!
私はまだ、先生の彼女に殺されたくないです!」

…こっちが恋について悩んでるのに、
デリカシーないやつ。

「そんなこと、初めて知りました。」

「常識だろ!
てか、もしかして、彼女いないの?」

「はい。」

なるほど。
だから、休みの日なのに予定ないのか…

そう思っていたけど、
次の瞬間、この人は、びっくりすることを言う。


「というか、
お恥ずかしながら、
今まで一度も彼女というものが、
できたことないんです。」
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