私であって、私でない。
ガチャ


一人で暮らしているマンションのドアを開けた。


ひとまず、コイツどうするか。


びしょ濡れの早川を背負っていたせいか、俺の背中は湿っていた。


「…コイツ…無防備過ぎるだろ…。」


今は5月上旬。


制服がブレザーの俺たちの高校は今の時期は基本的にシャツのみ。


だから、早川の下着は透けてるわけで…。


いくら無口な俺でも、女には欲情する。


それに…早川だし…。


「…おい、起きろ…。」


早川の肩を持ち揺すってみる。


「んぬぅ~…。」


早川は俺の腕をはらってまた寝た。


「……おい。」


次に俺は鼻をつまんだ。


すると早川は起きた。


「ほぇ~?
…ここどこ?」


早川はしっかり目が覚めるとあたふたと周りを見回した。


すると、俺の顔を見て、視線を自分の胸元に向けた。


かあっと顔が真っ赤になると、


「きゃああああ!!!!」


と叫んだ。










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