【新】俺様社長の溺愛
…エコーに映ったのは、もうお分かりだろう。

・・・そのまさかである。

「食欲がなかったのは、つわりですよ。

ふらつきは、鉄欠乏性貧血、こちらは鉄剤を呑めば治ります。

情緒不安定なのは、妊娠中にはよくある事です。

後、1.2か月もすれば、すべては楽になるでしょう」


そう言って先生は微笑んだ。


オレと愛海は見つめ合い、どう反応していいかわからない。


「もちろん、産むんですよね?」

担当医の言葉に、ハッと我に返る。


・・・そうだ、そうなのだ。

お腹に宿った命をどうするのか、決めなくてはいけない。


「…愛海はどうしたい?」

オレの問いかけに困惑する愛海。

それも、無理のない事だ・・・

あまりに突然宣告された妊娠。

嬉しさと、驚きが入り混じり、答えなどすぐの出せない。


「…産んでもいいのかな?・・・驚いちゃって、嬉しいんだけど」

そう言った愛海だったが、顔は嬉しそうで、

お腹に目線を向けた彼女の顔は、とても穏やかだった。
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