【新】俺様社長の溺愛
約束に時間になり、屋上へと向かう。

…私は優しくおなかを撫でながら、


「大丈夫、すぐに終わるからね」

赤ちゃんに優しく語りかけた。


ギ―・・・。

ドアをゆっくり開けると、先の方に、女性の影が。

私が来た事に気付くと、振り返った。


「…貴女は」

私は顔を見て言葉を失う。

…この人は、秀人とお見合いした人だった。

…でも、あの時、諦める、そう言ってくれたのに、

何でこんな所になっているのか?



「・・・秀人さんの事、諦めきれなかった」

「・・・」

今にも泣き出しそうな顔で、そう訴える。

私は黙ったまま、見つめていた。


「何度も、何度も、自分に言い聞かせたの。

秀人さんには貴女がいるって・・・でも。

諦めかけた時、貴女が妊娠したことを、小耳にはさんでしまった。

・・・聞くことがなければ、諦められたかもしれないのに・・・」
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