【新】俺様社長の溺愛
「心配かけて悪かった。ちょっとした仕事のトラブルが」

「…私、社長室のドアの前にいるんです」

「…エ?!」

…思いもよらない言葉に、オレは携帯を放り投げ、

社長室のドアを開けた。


「・・・愛海」

「・・・ごめんなさい、どうしても心配になって。

ここに来たら、話し声が聞こえちゃって・・・

聞くつもりなんかなかったんだけど、でも・・・」


そう言って俯いた愛海は、少し肩を震わせた。

オレは愛海を抱き寄せた。

たった数日前の出来事だ。

怖くなかったなんて、それはきっとウソ。

愛海は、あの時、相当怖かっただろう。

その時の恐怖を少しでも取り除いてやりたくて、

しばらく抱きしめたままだった。



「彼女、とても想われていたんですね」

「・・・え?」

愛海の言葉に、パッと目線をおろす。


「人を好きになる気持ちは、私にもわかるから・・・

怖さはまだ取れないけど、彼女を許すことはできるから。

…私には・・・秀人がいるし、この子もいる」
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