不器用な愛情表現


俺が綾を好き過ぎて。


「司くん」


そう綾の声で自分の名前を呼ばれると必要以上に胸が熱くなる。


それをばれないようにするには、嬉しいとは逆の表情を俺はする。


それが困った顔だと、俺は思っているから綾に呼ばれるたびに困った顔をする。


「ごめん、何でも無いよ」


綾に気付かれなければ、安心してため息が漏れる。


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