不器用な愛情表現


目を鋭くして私を睨んでいる。


「あなた、司と付き合ってるって言う水瀬綾さんだよね?」


「あ、はい。そうですけど、どちらさま――……」


―――パンッ!


「っ…!?」


最後の一言“で”を言い終わる前に頬を叩かれる。


皆の視線は私たちの方へと一気に向いた。


それはそうだよね、あんなに大きな音がしたんだもん。


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