不器用な愛情表現



「あんたなんかと司が不釣り合いなのは分かり切ってるじゃない!司が好きなのは私なの!」


どんどん声が大きくなっていく。


「司言ってたわ。あんたに付きまとわれて困ってるって」


「………」


「司をどれだけ困らせれば気が済むの!?もうこれ以上司に近付かないで!!」


言い返せなかった。全部正しい事だったから。


だけど、そんなこととっくの昔に気付いていた。


司くんが私の事迷惑そうにしている事や、私と司くんが不釣り合いだってことも。


「分かってるよ…。そんなこと分かってる……」


それを思い知らされるたびに、どうしようもない胸の痛みに襲われた。


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