不器用な愛情表現


「綾の教室行ったら俺の教室に行ったて言われて走ってきた」


多分司くんに伝えてくれたのは華ちゃん。


じんわりとした汗が司くんの額に流れている。


私のために走ってきてくれるなんて、嬉しすぎて泣いちゃいそうだ。


「綾の教室知らなくて、俺彼氏失格」


寂しそうに司くんが笑う。


「いつも綾が会いに来てくれてたから、綾に会えてたこと気付かなかった」


「ううん……」

< 62 / 70 >

この作品をシェア

pagetop