そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

――――二年前。陸さんは凄いやり手の営業マンだったらしい……


営業成績は常にトップクラス。上司にも一目置かれる存在で、若手の中では出世頭だった。


そんな時、陸さんの所属する営業部に若い女性の新人が入ってきた。その女性は陸さんのことが好きになり、猛アタックしてきたそうだ。


けど、当時の陸さんには結婚を考えていた彼女が居たので、その女性に見向きもしなかった。


が、ある日、営業部の飲み会があり、酔っぱらった女性が陸さんに絡み離れようせず困惑してると、一緒に居た同僚達が面白がって、女性を家まで送ってやれとはやし立てた。


仕方なく女性を一人暮らしのマンションの部屋の前まで送ったが、泥酔してる女性は陸さんにしがみ付き「帰らないで!」と号泣。


真夜中に大声で騒がれ焦った陸さんは女性を落ち着かせる為にひとまず部屋に入ることにした。しかし、尚もしつこく抱き付いてくる女性。


どうしても付き合えないのなら、一度きりでいいから抱いて欲しい。抱いてくれたら陸さんのことは諦めるからと懇願されたそうだ。


普段の彼なら間違いなく断っていた。けど、陸さんも酔っていたし、ここ暫く仕事が忙しくて彼女とも会っていなかったから、ついムラムラっとして女性の誘いに乗ってしまった。


で、いよいよという時、女性が処女だということに気付き陸さんは焦った。でも欲望を抑えることが出来ず女性を抱いてしまったんだ。


終わった後に凄く後悔したが、約束した通りそれ以来、女性は何も言ってこなくなった。後ろめたい気持ちはあったものの諦めてくれたんだと安心していた。


――――しかし、事態は最悪な方向に動き出す……


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