ズボラ女子が恋をした場合。



そんなこんなで、家の前に着いた。


「…ありがとう、送ってくれて」
「…おう」
それでも手を放そうとしない遥斗。



「あのさ」
「え?」
「…日曜、開けておけよ」
握られた手の力が一層強くなる。




「いきなりですっげー混乱させたと思うし、今まで、ずっと一緒に居るのが当たり前で、俺を男として見たことがなかったかもしれない。てか、そうだったと思う」
遥斗は下に俯きながらぽつぽつと話始める。



「だから、返事はすぐじゃなくていい。まずは、俺をちゃんと見て欲しい」
そう言って、顔を上げて、私の目をじっと見つめる。



その真剣な眼差しに、
心臓がうるさく反応していることは自分でも気づいていた。


「じゃぁ、な。おやすみ」

私の頭をぽんと撫でて、すっと握っていた手を離すと、遥斗は背を向け歩き出した。




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