ズボラ女子が恋をした場合。
帰り道。
人混みではぐれないようにと、遥斗が手を繋いでくれている。
さっきとはまた違ったドキドキが私を襲う。
好きって、言われた。
遥斗の顔を見ていたら、それは冗談なんかではなく、
本気で言ってくれていることが分かった。
手、汗かいてないかな……。
意識をして、緊張してしまって、いつもよりも暑く感じる。
好きだって言われて、なんて返せばいいか分からなくて、そのままぼーっとしていたら、花火は終わって、「行くぞ、送る」って遥斗に手を引っ張られた。
やがて人が少しずつ少なくなっていき、もう少しで家に着く。
少し俯きながら黙ったままひたすら歩く遥斗の顔をチラッと見る。
ずっとこんな調子だ。
遥斗と一緒に居て、何を話せばいいのか分からなくなるのはこれが初めてだ。