もっと甘く   ささやいて
「ルーニー、フィルと僕の悪口を言っていたんだろ?」

「違うわ。ジュデェスは全てに完璧を目指す男だとほめていたのよ。」

「君のその黒い瞳は読めないな。君の本心は読めない、僕には。」

「あら、そう?」

ジュデェスは私を優しく見つめた。

「明日の便で帰るんだろ?」

「また来月来るわ。」

彼はいきなりキスしてきた。

「ん、ジュデェス?」

彼の唇は私を求めていた。

私は逆らわずに受け止めた。

「なぜキスするの?」

「来月まで待てないから。君は僕を拒まなかったが、求めもしなかった。」

< 21 / 58 >

この作品をシェア

pagetop