しっとりと   愛されて
俺はいつものように朝食にベーコンを焼き、フレークに牛乳をぶっかけて食べた。

野菜をカットしてジューサーのスイッチを入れ、聞き慣れたガーガーという音が次第に小さくなっていくのを待った。

とろりとしたジュースをグラスに注ぎ、一気に飲んだ。

物音がした。

百合乃が起きたらしい。

「おはよう。」

「おはようございます。」

昨夜パジャマ代わりに俺のTシャツを着せておいた。

「シャツをありがとう。」

「君も食べるだろ?座って。」同じメニューをトレーにのせて出した。

「孝二さんと同じものですか?」

「そうだよ。食べて。すきっ腹はよくない。」

「ありがとう、いただきます。このジュース美味しい。」

俺は食べる彼女を眺めた。

寝起きも可愛いと思った。

< 20 / 60 >

この作品をシェア

pagetop