君のせい




授業が始まっても、

デカい背中が気になってしかたない。



グレーのブレザー

襟足のすっきりとした黒髪


頭のてっぺんは、ふわふわとしていて.......



その時、吉井の横顔が見えた。


背がデカいくせに、

肩幅広いくせに、顔ちっちぇ。


鼻が高くて.....



素直に、きれいな顔だと思った。


でも、その視線の先を追うと........



宇崎さん。


さっきも宇崎さんを助けてたし、


そっか。



吉井は宇崎さんが好きなのか。



宇崎さんモテるらしいからね。


吉井も、ああいう女が好きなのか。





普通の男だな。






私は.......宇崎さんとは全く違う世界にいる人間だし、


全く真逆の生物だし。




......ていうか、なんでそんなこと私考えてんだろう。



吉井が誰を見ていようと、

誰を好きだろうと、


そんなの関係ない。


私には、全く関係ないことだ。





そうだ、そうだよ、関係ない...........



よくわからない感情を抑え込もうとしていたら、


くるっと吉井が振り向いた。











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