君のせい
吉井を見上げて謝ると、
吉井は切なそうに首を傾げた。
「どういう意味で謝ってんの?」
どういう意味って、
この気持ちをどうやって言葉に表したらいいんだろう。
うまく伝えられない、
どうやったら、この気持ち全部吉井に伝わるだろう..........
「麻琴?」
優しく名前を呼ばれて、また好きって気持ちが膨らんで........
「私......意識しすぎてる。
ごめん。
なんて言ったらいいのか、わかんないぐらい、
意識しすぎてる。
どうやったら、普通でいられるんだろう。
付き合ってる人たちって、どうしてあんなに普通でいられるんだろう。
私には、できない。
でも........」
私は吉井のブレザーの袖を指先でつまんだ。
「嫌われたくない」
そう言って下を向くと、吉井が私の頭を優しく撫でた。