呪いのブレスレット
「いやーっ! きゃーっ! だれかぁっ!」

腰を抜かしたあたしは草むらに座り込み、ただ叫んでいた。

「亜美ちゃん! 亜美ちゃん! 起きて! 夢だよ!」

あたしは身体を激しく揺さぶられて目を覚ました。

「あ……」

今のは、夢だったんだ……。

ひかりが見せる悪夢……。

「亜美ちゃん、大丈夫? 汗びっしょり、お水持ってこようか?」

のろり、身体を起こすあたしに麻美は聞く。

頷こうとして、ここが自分の部屋だと気づく。

「どうして自分の部屋に……?」

「亜美ちゃんったら、やっぱり夢遊病じゃないの? 自分で戻ったんだよ?」

部屋を出て行きかけた麻美が不思議そうに肩をすくめる。

「自分で戻った?」

「うん。30分くらいしてから、いきなり起き上がって部屋に行っちゃったの。で、トイレに行こうとしたら、亜美ちゃんの叫び声が聞こえて。本当に大丈夫? ママたち、起こそうか?」


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