呪いのブレスレット
「眼科にいた方がいいんじゃないか? 目は大切だし」

「う……うん……あっ!」

翔平に返事をしてからまた誰かが目に入り、あたしは思わず声を上げた。

校舎の影に制服を着た女の子が立っていた。

遠くて顔までわからないけれど、彼女はあたしたちを見ていた。

ひかり?

目を凝らすと、その女の子は全身真っ赤に変わった。

「きゃっ!」

あたしはぎゅっと目をつぶり、翔平の胸に飛び込む。

「どうしたんだよ!?」

翔平は驚いて辺りを見回す。

「今、女生徒があそこに立って! 赤くなって! 消えたのっ!」

「はあ? 赤くなって消えるわけないだろ。校舎に入って行ったんだよ」

翔平はあたしの言葉を真に受けず笑った。

「そうかな……」

あたしだってそう思いたい。

「そうだよ。お前、疲れているんじゃないのか? 練習大丈夫か? 途中でぶっ倒れたりしないだろうな?」

「うん。大丈夫」

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