Eternal Silence
『なぁ、
一つ……きいていいか?』
俺は……真剣に向き直って
聞いてみる。
『……はい……』
勇人が頷くと
覚悟を決めて……
言葉を続ける。
『自分が生き続けることが
好きな奴を苦しめて
追い詰める行為だとしたら
お前はどうする?』
誰にも言えなかった
……俺の胸の内を……
『……僕の存在が……
大切な人を苦しめるだけだったら、
僕は黙って姿を消します。
その後……どうするかは
わからないけど、
姿を消して……
もう会わないようにする……かな……』
姿を消します……、
そう語尾を
強く言い切った勇人。
だったら
……俺もいいか?
『だけど……僕は思うんです。
僕が当事者なら、
これ以上苦しめないために姿を消すと。
だけど……大切な存在に、
ある日突然姿を消されたら、
それはそれでやっぱり、
苦しめると思うんです。
だったら……大切な人を苦しめないために、
残された時間を、楽しい二人の想い出を
刻み込むように生きてみるのも
いいかもしれない。
そうとも思うんです。
どちらにしても、その時になってみないと
僕もわからないけど……』
そうやって紡いだ勇人は、
心の中で誰かを辿っているようだった。
だけど……その時の俺は、
アイツから逃げ出すことしか考えられずに
その時の勇人の後者の言葉なんて何も届かなかった。
そして……
自らの体を躍らせた。
だけど……熱に魘されて苦しみ続けるアイツを見て
考え方が変わった。
あのまま……この命が終わらなくて良かったと
心からそう思えた時、
ようやく勇人が言ったもう一つの言葉が
降りてきた気がした。