Eternal Silence
夕陽が差し込む頃、
再度ドアをノックする音が聞こえた。
「入っていいよ」
顔を見せたのは、
嵩継と主治医の上村先生。
そこで俺は……
俺自身の現実と真剣に向き合う。
これ以上、
アイツを苦しめないために。
シーンと静まり返った病室。
ベッドを囲むように座った、
嵩継と上村先生は、
俺が投げかけた質問に対して
ありのままに答えてくれた。
あの日、嵩継から聞きだしたように
俺の病名は、骨肉腫であると言うこと。
膝に出来た骨肉腫を治療するには、
膝上で切断する必要があると言うこと。
肺などへの転移を気にして、
化学療法を再開させたいと言うこと。
そして……屋上から飛び降りた代償は、
脊椎損傷による下半身不随。
残された時間、
ベッドの上での生活を余儀なくされること。
それらのことを、
ゆっくりと素人でも分かりやすいように
噛み砕いて説明してくれた。