Eternal Silence







嵩継へ






お前がこれを読んでるってことは、
俺はもう……
この世界に居ないんだと思う。




俺はお前をいっぱい傷つけた。
追い詰めた。





でも……この手紙を書いてる今、
俺は凄く穏やかなんだ。




死にゆく恐怖って言うのが、
殆どない。




屋上でお前から病名を聞きだしたあの頃とは
考えられないくらい、
ゆったりとした時間なんだ。





俺が死んだ後、俺の遺骨で
エターナルペンダントってのを作って貰えるように
手続きした。


お前がこの手紙を読んでるってことは、
そのペンダントが出来たんだと思う。





『一緒に居てやるよ。
 嵩継は、危なっかしいから』





そうやって言えたら
いいけど……
残念ながら、
俺にはそんな強気発言は難しそうだ。




俺が一緒に居たいから……。




だから傍に居させてくれ。




ペンダントを作った後、残った遺骨は
海に還らせて貰えるように手続きした。







俺の想いは海に還って
そこからまた……
お前の近くに帰りつくから。 






そんなお前の未来。


隣を歩いてるのが、
あの生意気なクソガキ。



氷夢華だったらいいなって今は思うよ。





嵩継……。




氷夢華はずっとお前を探してた。


だから……落ち着いたら、
アイツを今度はお前が探してやってよ。





俺らの泣き虫な妹をさ。







また逢える日まで。






今はその日を信じて。





××年3月10日

井津海斗




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