Eternal Silence






「それは心配ですよね。

 僕も今日は千尋とは
 大学終わって別行動。
 
 
 翔(かける)が、
 体調崩して休んでたから」

「翔?」

「柳宮翔(やなみや かける)って言って
 僕の高校生時代の友達かな。

 大学も一緒なんだけど、学部が違うから
 すれ違いが多いんだけど」

「そうかっ。
 その柳宮って子はどうだった?」

「肺炎だってさ。

 入院中、弟がお兄ちゃんに会えないからって
 泣いて泣いて大変らしくてさ」


「そうか……」

「僕も体調崩せないよね。

 優奈なんて、
 絶対に離れそうにないし。


 さっ、ごちそうさまでした。

 後は僕が片づけておくから、
 嵩継さんも早く休んで。


 嵩継さんのお友達も、
 早く良くなったらいいよね」


「あぁ……。

 ……ごちそうさま……」




そう言うと、寝室へと移動する。




風呂だけ入ると、
ベッドにもたれかかって、
千尋君から借りた、
専門書に目を通していく。




オレの中に忍び寄る、
不安を少しでも取り除きたくて。



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