Eternal Silence



「お帰りなさい、嵩継さん」





玄関を潜った
オレに声をかけたのは勇人。




「晩御飯、食べて来ました?
 
 今、僕も頂いてるんですけど
 良かったら?」

「あぁ、貰う」






ダイニングのテーブルに
もたれかかるように
椅子に座り込む。




目の前に並べられていく
晩御飯。




そしてフォークとナイフ。








「頂きます」




そう言いながら、随分と使い方が慣れた
フォークとナイフで、
リズ夫人の晩御飯を食べていく。




「どうかしました?」

「えっ?」

「なんか嵩継さん、
 今日は様子違いますよね」

「そうか?
 
 そうかもな……。
 ダチが入院したから」





そう……。




アイツが入院したから。








アイツの存在は……
やっぱりオレの中では
デカイらしくて……。





水抜きした時、
本来は粘り気のある黄色の液体が抜けるはずが、
アイツの膝から出てきたのは、黄色のゼリー状のもの。


膝を触った時に感じた、
瘤に似たもの。






< 59 / 170 >

この作品をシェア

pagetop