もう一度、君と…。
私もその姿に笑った。
この人はいつも特別だった。
…あともう一人、特別な人がいるけど…。
「…うーん。じゃあ、慶ちゃんは私の事を恋羽って呼んでね?」
「おぉ」
男の子は苦手だった。
でも、慶ちゃん…あとハンドボールの子達は許せたんだ。
ハンドボールは7人制。
だから、私と慶ちゃんはチームメートだった。
「ねぇ、裕貴(ゆうき)君、どうしてる?」
私は笑って慶ちゃんの制服の裾を掴む。
「…」
無言で押し黙る慶ちゃん。
何か…何処か苦し気な表情。
「…裕貴、1年前に死んだ」
「……」
………………死んだ?
「裕貴は元々、持病があったんだ。それで……」
唇を噛み締める慶ちゃん。
私は思ったより冷静でいられた。
裕貴君とは、山岡(やまおか)裕貴君。
チームのリーダー的存在で、私一人だけ女の子と言うこともあって他の子と話せないでいた所を支えてくれた。
そして、………私の初恋の人。
でも一度も伝えたコトのない想いだった。
伝えられずに卒業。
それ以来、連絡もなかった。
「…私、なんで呼んでくれなかったの?」
持病なら、入院もしてた筈でしょ?
どうして、私はその事を知らされなかったの?
「…裕貴が『恋羽には言うんじゃねぇーぞ』って言ったんだ」
……なんで?
私の事を嫌いだった?
ーーガラッ