もう一度、君と…。

百合だってそうだった。

皆から『ビューティフルポーカーフェイス』と影で呼ばれていたくらいポーカーフェイス。

でも百合は、「おはよう」と言ってくれた。

私と百合はそれから、一緒に何処かに行ったりすることも出来る位に、百合には心を許している。


「沙苗ちゃん」

「何?」

煎餅をバリッと食べている沙苗ちゃん。

「竹田先生、まだ沙苗ちゃんのこと好きですよ?」

「っ…?」

驚いた様に私を見つめる。

「……ペアリング、沙苗ちゃんは右手の薬指についてるでしょ?…竹田先生も付けてますよ?」

「え?だって指には…」

子供の様に反応する。

「…竹田先生、チェーンにペアリング通してつけてるんです。普通は付けないですよ?きっと………未練ですかね?」

少し声に出して笑う。

沙苗ちゃんの顔は真っ赤に染まった。
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