悠久幻夢嵐(1)-雷の章-a rainy insilence
賽はふられたって奴か……。
何が出てくるかは想像も出来ないが、
兄貴がやってきたであろう現実なら、
俺もそれに身を寄り添わせるしかないだろう。
アイツを……一人にしないために。
そんなことを思いながら、手の甲に浮かび上がるはずの、
刻印が浮かぶその場所をじっと見つめる。
俺の感情が激しくなるにつれて、
その刻印が暴れ出すように浮かび上がってくるのを確認する。
まだまだ謎が多すぎるんだよ。
ポケットに片付けてある、
兄貴の札を取り出してじっと見つめながら
俺はその先の未来をじっと見つめ続けていた。