悠久幻夢嵐(1)-雷の章-a rainy insilence



まだ神威を助け出せてはいないが、
この場所は時雨が探し出してくれるだろう。




兄貴……。

不甲斐なくて悪い。




だけど……兄貴の宝は俺が探し出して守るから。





無意識のうちに縋るように、
握りしめるのは、兄貴に託された雷龍翁瑛の札。




湿度が高すぎる空間で、
脱水症状に近いような不調を感じながら、
岩肌に委ねるように俺は体を預けた。


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