LAST SMILE






幻聴だろうか。






いつの日か、あたしを追いかけて来てくれた
あのときの声がした。


ハスキーじゃない、低くて綺麗な声が。




「麗華、後ろ・・・」


亜貴がそういった。



あたしが振り返る前に、肩に重心がかかった。







「リーダー置いてくとか、
 お前ら薄情なやつらだな」



「・・・祐兎・・・?」



祐兎が、あたしを抱き寄せるように、
あたしの肩に寄りかかっていた。



「だから、なんだよ?」



「・・・っ馬鹿!遅いわよ!!
 遅刻してくるとか、信じらんない!!」




あたしは咄嗟にそういって祐兎を睨みつけた。



「どうせ腹イタとか、寝坊とかでしょ?
 まったく・・・。心配なんてしてやんないから」



「あれ?なんか今日は特別に冷てぇよな。
 どうした麗華?」







知ってるくせに。





あたしが、涙を隠すために、
自分の不安を消し去るために言ったって。





あたしはその輝く金髪をじっと見つめた。





そう。




これだよ。



あたしの、
視界に入っていなきゃいけないのは、





この綺麗な金色なんだって、そう思った。










「んじゃ、行きますかー?」








祐兎が仕切りなおしてそういった。



みんなはそれ以上なにも言うことなく、
円陣を組んで気合を入れた。



















【最後を締めるのは“Blue sky”です。お願いしまーす!!】



















アナウンスがなり、あたしたちはステージにたった。











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