LAST SMILE



「祐兎・・・」




顔を上げると、
祐兎の苦しそうな顔が近くにあった。


あたしが歌うのをやめたとき、
祐兎の唇が、あたしの唇に重なった。



2回目の、
優しくて、長いキス。




祐兎の頬を涙が伝った。







祐兎が、泣いてる。



笑わなくちゃ・・・。



あたしが笑って、
祐兎を笑顔にしてあげなくちゃ・・・。





唇が離れて、あたしは精一杯、
祐兎に向かって微笑んだ。











「その顔だ・・・・」








祐兎はそう呟いて、笑った。





あの、無邪気な、
 少年のような笑顔で。




そして―














「麗華、ずっと、そうして笑えよ?」



























「祐兎・・・・?」









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