LAST SMILE



祐兎も亜貴もびっくりしたようにあたしを見つめる。



「は?お前、なにやって・・・」


「火傷・・・。このままじゃいけないから」



あたしはそういって、
持っていたペットボトルの水でハンカチを濡らし、
そのハンカチを手に巻きつけた。


「これ・・・なん・・・」


「いいから。広がっちゃうとあれだから、今日一日つけててよ。
 ギター、弾けなくなるよ?」



あたしが説教混じりにそう言うと、
祐兎はぽかんとした顔であたしを見やった。



「べ、別にいらんわ。こんなん、邪魔やし」


「なっ!?邪魔ってことないでしょ!?馬鹿!!」


「馬鹿って何だよ。馬鹿って」


「こら、2人とも落ち着け。何やってんだ」




何これ・・・。


Reesのときにも、あたしたちは口喧嘩をした。


解散の理由もそれだしね。


でも、このメンバーは違う。


相手は女の子じゃない。
男の子なんだ。



だから、あたしのしょうもないことも、
受け流せるほど、強いんだね。



初めて実感した。



あたし、これからはこの
Blue skyのメンバーになるんだ・・・。





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