LAST SMILE



武田くん、亜貴、磯部くんは
揃って素っ頓狂な声を発した。


あれ?


そんなに嫌かな?


だって、これから一緒にやってくなら、
実力ってもんを見たいし・・・。


あたしが黙っていると、
祐兎が煙草をふかしながら言った。



「それなんだけど、お前をヴォーカルに加えたバージョンで、
 曲作ってみた。
 
 バラードだし、お前等なら初見で大丈夫なレベルだから、
 これ。今からやろうぜ」



そういって、祐兎はみんなに楽譜を渡した。


「ちょっ!?これ手書き!?」


「だから、曲作ったって言ったろ?
 オリジナルだよ。オリジナル」




すごい・・・。


あたしらはどっかのバンドのコピバンだったのに・・・。


なんか、
今までめっちゃ得意げだった自分らが恥ずかしい・・・。







みんながスタンバイする中、
あたしは椅子に座ってじっと待った。


祐兎のギターはもう聴いた。


あれだけ上手いなら、他の人たちもきっと・・・。





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