LAST SMILE
お兄ちゃん







あたしたちは使ってない部屋に入った。


お客さんが来ちゃうんじゃないかと不安だったけど、
ここのカラオケボックスは、
亜貴の親戚が経営しているお店らしい。



この部屋を自由に使っていいと、


つまり、亜貴の隠れ家みたいなものなんだって。



部屋に入って、ソファーに並んで座る。




外の騒がしさが小さく聞こえた。







「で、話って?」


亜貴はその部屋にあったベースを
ケースから出してチューニングを始めた。



最近、いじってないから
調子狂いやすいんだよなーって、亜貴は言う。



でも、黙って聞かれるよりは、
そっちのほうが良かったから、


あたしは構わずに口を開いた。









「あのね、亜貴には、話しておこうと思って」



「ん?何を?」
















「あたしが、なんでバンドを始めたのか・・・」



















あたしの、
本当の理由・・・。






亜貴はあたしのその言葉を聞くと、
ベースをいじっていた手をとめた。




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