マーメイドの恋[完結]

嫉妬という感情があるから愛があるのか。
愛があるから嫉妬するのか。


お互いがお互いを必要だと確認し、伝えるためにセックスをするのか。
セックスは子孫を残すためのもので、たくさん残すために、いろんな感情を人間に与えたのか。


考えてもわからないようなことを考えながら、夏子は伊原に抱かれ、身体中で伊原を求めた。


セックスをすれば、相手を縛り付けることができると、女は錯覚するが、それとは逆に、男は他の女ともっとしたいと思うものなのだ。


追いかけるのはいつも女の方で、男は自由に男の欲望で動き回る。
永遠に続く女の哀しみ。


エミという女は、納得したのだろうか。
たぶん納得はしていないと思う。
部屋に来ることはないと思うが、きっと伊原から離れるつもりはないのだろう。


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