マーメイドの恋[完結]
ラブホテルを出てから、スーパーに立ち寄った。
考えてみると、男性とふたりでスーパーに来たことはなかった。
夏子は、ほんわかとした気分になった。少し恥ずかしいような、くすぐったいような、幸せな気分とはこういう事をいうのかもしれないと。
新婚の人はこんな気分なのだろうか。
「あっ、カニがある。カニ入れようカニ」
倉沢が冷凍のズワイガニをみつけて言った。
「いいよ。カニ鍋ね。マサって子供みたい」
新婚というより、親子かもしれないと思い直す夏子だった。
「ママ〜ビール買って〜」
倉沢がふざける。
「子供はお酒を飲んではいけません。それに車に乗るでしょ」
「今日は夏子ママのところに泊まるから飲めるよ、もう大人だし。夏子ママも見たやろ。ボクの大きなアレも」
倉沢が夏子の耳もとでそう言った。
「こんなところで、そんなこと言わないの!」
夏子はそう言ったが、又夏子の子宮の辺りが熱くなるのを感じた。